マラソン観戦自粛の札幌 ゴール時の人出、10%以上増

芳垣文子
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 札幌市中心部で東京五輪男女マラソンが行われた7、8の両日、発着点となった大通公園周辺の競技時間帯の人出が、1週間前の同時間帯に比べ4~8%多かったことがわかった。増加率は選手たちがゴールする時間帯に大きくなり、両日とも前週を10%以上上回った。

 ソフトバンクの子会社「Agoop(アグープ)」がスマートフォン全地球測位システム(GPS)などから取得したデータを基に、朝日新聞が集計した。地下鉄大通駅の半径500メートルの1時間当たりの平均人口を比べた。

 7日(土曜日)の女子マラソンは午前6時スタート。1時間前の午前5時台から、競技後の同10時台までの6時間分について、前週の7月31日(同)と比較した。

 7月31日の1時間当たりの平均人口が4万526・67人だったのに対し、7日は4万3916・83人で3390・16人増加。平均増加率は8・4%だった。

 1時間ごとの増加率は、競技開始前の午前5時台(6・1%増)から徐々に上がり、最も大きかった午前8時台には12・7%、次いで9時台は10・9%だった。金メダルのペレス・ジェプチルチル選手(ケニア)のゴールは午前8時27分、8位で入賞した一山麻緒選手は同8時半だった。

 男子マラソンは翌8日午前7時スタート。午前6時~同11時台の人出を、前週の8月1日と比較した。1時間当たりの平均人口は、1日の4万4390・67人に対し、8日は4万6217・67人で1827人増え、平均増加率は4・1%だった。金メダルのエリウド・キプチョゲ選手(ケニア)や6位の大迫傑選手がゴールした午前9時台の増加率は10・3%だった。

 五輪のマラソンでは、新型コロナウイルスの感染再拡大のため、沿道での観戦自粛が呼びかけられた。だが、コース沿いには大勢の人が集まり、所々で「密」ができた。アグープのデータによると、女子、男子ともに、競技の数時間前から平均人口の上昇が顕著で、観戦や大会関係者による人出が増えたとみられる。(芳垣文子)

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