肉を食べられない未来 「代替たんぱく質」ここまできた

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西村宏治=シンガポール 高木真也
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 肉や魚、卵や牛乳といった伝統的な動物由来のたんぱく質に代わり、新しい技術を使って似た食材をつくる「オルトプロテイン(代替たんぱく質)」産業への注目度が高まっている。動物倫理の面だけではなく、エネルギー効率の面からも、将来の食料問題の解決に欠かせないとみられている。

 直径3~4センチ、厚さは1センチほど。見た目はどこにでもあるチキンナゲットだ。一切れかじると、ふわりと鶏肉の風味が。思わず笑みがこみ上げた。

 「まさにチキンだ」

 にしむら・こうじ 1975年生まれ。経済部、グローブ編集部などを経てシンガポール支局長。最近つくった料理は静岡おでん。

 6月24日、シンガポールの高級中華料理店「マダム・ファン」に宅配を頼んだ。届いたのはナゲットが3個のったチャーハン(約1800円)だ。

 味はふつうのナゲットだが、原材料は特別。鶏の羽根の細胞から培養した肉が使われている。開発したのは米国のベンチャー「イートジャスト」だ。反応槽の中で、細胞株にアミノ酸などの栄養素を供給して肉にするという。

 現地当局の認可を受け、昨年…

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この記事を書いた人
西村宏治
経済部|関西経済
専門・関心分野
経済、ビジネス、国際関係