名波監督「輝かせる松本山雅」 まず見せた18分の映像

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吉田純哉
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 「自分はピッチにいた方がいい人間なんだろうな、と改めて感じますよね」。日本代表の名選手だった名波浩氏(48)が現場に戻ってきた。Jリーグ屈指の熱いサポーターの存在で知られるJ2松本山雅の立て直しを託され、就任2戦目にして白星を挙げた。その名波監督が「山雅改革」について語った。

 「大の大人が抱き合うなんて状況ないでしょ。ああいうところにいられる幸せはすごく感じるね。トヨ(阪野豊史)と目が合って、そうしたらみんなが来てくれた」

 7戦連続勝ちなしで、17位に低迷していた松本の指揮を引き受けた。就任2戦目となった3日のホーム東京ヴェルディ戦。1―1の後半16分にFW阪野が勝ち越しゴールを決めると、ベンチ前の名波監督を中心に歓喜の輪ができあがった。

 「『俺のところに来いよ』なんて言っていない。そんなの気持ち悪い(笑)。みんなが勝手に一体感を意識してくれるんじゃないですか」

 「松本は対戦相手にボーナスゲームと思われている。相手がうまいから強いからとはならずに、アスリートとして一泡吹かせようという反骨心が生まれた選手がすごい」

 監督は2度目だ。6季指揮したジュビロ磐田の監督を辞めたのは、2019年6月のことだ。当時5戦未勝利のままピッチを離れたから、2年ぶりとなる勝利の味は格別だった。

 「めちゃくちゃうれしかったですよ。(ホームのサンプロ)アルウィンの雰囲気すごいよかった。サポーターの手拍子とか、熱量とか、純粋に温かいなと。ものすごくいい環境でやらせてもらっている」

 一体感を醸成する種は練習からまいていた。試合明けの練習では、先発、控えを分けずに同格に扱う。そして等しく声をかける。

 「レギュラー組とその他全員みたいになると、不協和音じゃないけど、伝えたいことが伝わらなかったりもする。遠征にいかないだろうなという選手にもしっかりと声をかける」

 東京ヴ戦前には、自宅でのリハビリ組を除いた全33選手をスタジアムのロッカールームに招いた。19年まで8季指揮した反町康治氏をはじめ、歴代監督とは異なる備えをして臨んだ。

 「全員ロッカーに入れて、一体感を持たせたかった。メンバー外の選手もみんなで声を掛け合っていたから、もうそれだけで余計なこと言わなくていいなって感じでしたよ」

「ここがぬるいな、ぬるいな、ぬるいな」

名波監督が就任して、すぐに作ったのは18分間の映像でした。この映像をきっかけに、チームはまとまっていきました。緻密なデータ分析で今後の課題も浮き彫りにしています

 初めて監督になった7年前は…

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