7月中に都内感染者1500人超えも 厚労省専門家組織

田伏潤
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 新型コロナウイルス対策を厚生労働省に助言する専門家組織(アドバイザリーボード)は7日、首都圏で感染者の増加が続き、全国の感染者数の3分の2を占める状況になっているとして、「全国へ波及させないためにも、対策の徹底が必要」と訴えた。五輪の開幕を控えた東京都内の入院患者や重症者数が増えていると指摘。東京都では同日、新たな感染確認が920人に上った。

 厚労省によると、6日までの1週間の人口10万人あたりの新規感染者は、東京都が30・29人、神奈川県16・39人、千葉県15・85人、埼玉県11・28人だった。「まん延防止等重点措置」がとられているものの、いずれも前週より増加した。東京都は、政府分科会の指標で最も深刻な「ステージ4(25人以上)」となっている。ステージ4は感染爆発段階で、緊急事態宣言の目安とされる。

 東京都の感染状況をみると、特に10~30代の新規感染が多く、ワクチンの先行接種対象となっている65歳以上の高齢者は全体の6%程度と少なかった。

 入院患者数は、6月20日に1270人まで減ったが、7月6日には1677人に増えた。重症者は6月27日に37人だったが、6日には63人になった。40、50代の重症者が目立ち、第4波並みになっているという。

 インドなどで見つかった「L452R」の変異があるウイルスに感染した人は、PCRスクリーニング検査で5日までに全国で1409人が確認された。前週の842人からさらに増えた。国立感染症研究所は、関東地方ではこうしたデルタ株が感染の30%以上を占めると推定し、「散発的なクラスターから、都心部での継続的な流行に移行しつつある」と分析している。

 感染力が強いとされるデルタ株の広がりもあり、強い対策をとらなければ、都内の1日あたりの新規感染者数は7月中に1500人を超えるという試算も示された。田村憲久厚労相は営業時間の短縮要請に応じずに酒を出す店が増えているとして、「どのように協力をお願いしていくか考えていかなくてはならない」と述べた。

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この記事を書いた人
田伏潤
コンテンツ編成本部次長
専門・関心分野
政治、社会保障、経済