最終盤に動いた小池氏 演説なしでも第2党に導いた作戦

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軽部理人
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 4日投開票の東京都議選で、最終盤に仕掛けた小池百合子知事。選挙戦最終日の3日、自身が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」の候補者の激励に回り、投票を呼びかける録音の電話メッセージを流す作戦に打って出た。結果的に当初、苦戦が伝えられた都民ファは、自民党と議席数が伯仲。小池氏は街頭で声を発することなく、都民ファを「善戦」(所属都議)に導いた。

 都民ファを結党した小池氏は前回2017年の都議選で、候補者とともに街頭演説を連日繰り広げ、都民ファを第1党に押し上げる原動力となった。だが、今回選挙の告示前、小池氏は記者会見で再三問われても、都民ファの候補者の応援演説に立つのか否か、かたくなに明言を避けてきた。

 小池氏は決して、都民ファを支援しなかったわけではない。候補者に応援動画を送り、「必勝」と記した「為(ため)書き」も寄せた。小池氏単独のポスターを掲げることも認め、各候補者の選挙広報には小池氏からの応援メッセージが記された。

小池氏の入院 心配の声が候補者に

 だが、都民ファ幹部の一人はこう話す。「小池氏が街頭に立って候補者と一緒に演説をしない限り、無党派層に届かない」

 都議選に向けて、「小池氏が党の『顔』であり続ける」(都民ファの都議)ことが必要不可欠な都民ファ。静観するとみられていた小池氏の状況が変わり始めたのは告示日の3日前だった。

 小池氏は6月22日、「過度…

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この記事を書いた人
軽部理人
国際報道部記者|内勤・業務担当
専門・関心分野
中南米の全分野、米国政治や外交、社会