「中に猫がいる」 機転きかせた隊員、6分間の救出劇

森下友貴 寺沢知海
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 大規模な土石流が襲い、救助活動が続く静岡県熱海市伊豆山地区。5日午後、警視庁の救助隊員が1匹の猫を助け出した。

 1階部分に土砂が流れ込んだ集合住宅。「中に猫がいるんです」。飼い主の女性の通報を受け、鍵を預かった救助隊員は4階の部屋に向かった。

 押し入れに置いてあった棚の上に、猫の姿が見えた。手を伸ばしたが届かない。猫も棚から動こうとしない。

 玄関に引き返した隊員は固形の餌を手にとり、猫の前に置いた。するとまもなく猫は餌に体を寄せ、待ち構えていた隊員に抱き寄せられた。発見から6分間の出来事だった。

 猫はケージに入れられ、飼い主に引き取られていった。取材に応じた警視庁の担当者は「飼い主にとっては家族同然なので、救助できてよかった」と目を細めた。(森下友貴、寺沢知海)

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    倉田明子
    (東京外国語大学総合国際学研究院准教授)
    2021年7月6日11時13分 投稿
    【視点】

    発見から6分という短時間で救出されたことに驚きです。隊員の方の機転ですね。災害時にペットと避難する方法は、ケージや餌の準備も含めて日頃からシミュレーションしておく必要があると思わされました。

    …続きを読む