阿佐鉄、29年連続の営業赤字 輸送人員3年連続減

斉藤智子
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 徳島県高知県などが出資する第三セクターの阿佐海岸鉄道の2020年度決算は、営業損失9473万円で、1992年の開業以来29年連続の営業赤字となった。20年度の輸送人員は前年度比8・2%減の4万8652人で、3年連続で減少した。

 阿佐鉄によると、輸送人員は定期外が4万7572人(前年度比7・7%減)、定期が1080人(同25%減)。コロナ禍で昨年4~6月は前年の4割程度にとどまったが、線路・道路両用のDMV(デュアル・モード・ビークル)への切り替えのため11月末でディーゼル車両が引退することになっていたため、7~11月は鉄道ファンを中心に旅客数を伸ばしたという。

 旅客運輸収入などの営業収益は765万円と11・2%増えた。輸送人員は減少したが、記念乗車券の販売収入で上乗せができたという。営業費用は1億239万円で18%増。DMV運行までの代替輸送にコロナ対策で大型バスを使っているほか、誘客モニターツアーの開催費などが増加につながった。

 営業外の収益と費用を含めた経常損失は9103万円。徳島、高知両県や沿線自治体などが積み立てた経営安定基金から7千万円を繰り入れ、コロナ対策に徳島県の補助金を充てるなどし、最終的な純利益は183万円となった。

 また、沿線自治体などが支出するDMV導入事業費補助金で、JR四国から阿波海南駅―海部駅間1・5キロの線路や土地などを取得した。(斉藤智子)

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