スペースジェット開発停止の三菱航空機、2年連続の赤字
今泉奏
国産初のジェット旅客機三菱スペースジェット(SJ)の開発を手がける三菱航空機が、2021年3月期決算で、最終的なもうけをしめす純損益が912億円の赤字(前年は5269億円の赤字)となった。赤字は2年連続。債務超過額は前年の4646億円から5559億円に広がった。昨秋から、SJの開発を一時中断している。
1日の官報に決算公告を掲載した。
同社は今年3月、愛知県営名古屋空港から本社が退き、空港の隣にある親会社・三菱重工業の小牧南工場に移転。同月、資本金を1350億円から5億円に削減した。約2千人いた従業員の削減も進めている。三菱航空機によると、コスト削減は進んでいるが、売り上げがほぼない状態で、開発関連の人件費や維持費がかさんでいるという。
当初は13年にSJの初号機(MRJ)を納入する予定だったが、開発が遅れ、納期を6度延期していた。コロナ禍で航空需要が低迷する中、親会社の三菱重工業が昨年10月、SJ開発の一時中断を発表していた。