狙われる貧困層 性暴力と向き合う映画、ネパール人製作

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富岡万葉
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 貧困の連鎖から抜け出すために、教育の大切さを伝えるネパール映画がある。撮ったのは、大阪市に暮らすネパール出身の男性で、自主上映を続けている。

 「教育は、悲劇を次の世代に繰り返させないための手段です」。市内で20日にあった上映会で、ティーアール・ゴウデル監督は観客30人に語った。映画「hundred rupees(100ルピー)」(2018年、20分)は性暴力を背景とした、貧しい女性と娘の物語。加害者が寄越した100ルピー(約93円)の行方と一つの希望を描く。

 ネパールやインドでは女性への性暴力が長く社会問題となっており、路上生活を強いられる貧困層が特に被害に遭いやすいとされる。ゴウデル監督は、教育が就労や最低限の住環境を得ることにつながり、負の連鎖を断ち切れると話す。ネパールにも義務教育制度はあるが、学校へ行かせるかは親の判断に委ねられるという。

 「作中で女性が娘に通学させる決断をしたのは、より良い未来を次世代に託すという私のメッセージでもあります。ネパールでは性被害を受けて自死する女性も少なくない。生き延びてほしいとも伝えたかった」

 インド・ムンバイ国際映画祭でベスト監督賞を受賞。ネパールの映画祭でも上映された。励まされたという声が上がったほか、身近で起きた事件について口を開いた人もいたという。

■100ルピーは「砂糖1キロ…

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