五輪の学校観戦、目黒区が中止 世田谷区長も「困難」

中山由美
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 東京五輪パラリンピックの学校連携観戦について、東京都目黒区教育委員会は22日、「区立小中学校・園は参加を中止する」と区議会に報告した。

 区教委教育指導課によると、「公共交通機関の利用による観戦は、新型コロナウイルス感染症や熱中症の不安がぬぐえない」とし、生徒児童らの安全・安心を考えて決めたという。教育の一環として、区立の小中学校全児童・生徒、幼稚園・こども園の5歳児の計1万3千人が様々な競技を観戦する予定だった。

 区教委が区立の学校長と園長に意見を聞いたところ、不安を訴える声が大半で、中止決定についても異論はなかったという。

 世田谷区保坂展人区長は同日の定例会見で、学校観戦は「現状での実施は困難」と表明した。ただ、区教委と学校に決定権があるとし、発言した意図について「子どもの安全について学校設置者である区にも責任はある」と説明した。区教委は今後、学校長と話し合う予定だ。区内で予定していたパブリックビューイングも中止の決定を発表した。

 都教育庁によると、2年前の意向調査の段階では、都内の公立小中学校・高校・幼稚園・特別支援学校から約81万人分の観戦希望があった。都がチケットを購入・配布する予定だが、五輪組織委員会と協議し、改めて意向を調べるという。

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この記事を書いた人
中山由美
専門記者|南極・北極担当
専門・関心分野
南極・北極、地球環境、野生生物