大量のフェイクニュースに簡体字 AI工作、各国が警戒

有料記事経済安保 米中のはざまで

編集委員・佐藤武嗣 同・峯村健司
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 大量の「ビッグデータ」と、その解析やデータを抽出・選別する人工知能(AI)で優位を確保することは、軍事や外交手段としても不可欠になっている。

 米国の「AIに関する国家安全保障委員会」でも特に危機感を訴えたのが、「戦争のあり方を変える」と言われる、AI軍事技術をめぐる中国との競争だ。

 軍事作戦では大量のデータを分析し、標的を即座に識別。短時間での攻撃・退避の判断が要求される。戦争で現場の戦闘状況を把握する際、「戦場の霧」と呼ばれる不確定要素がつきまとう。その霧を晴らすため、装備や戦闘の意思決定に、人間の能力をはるかにしのぐAIが活用されている。

 米軍は、空中戦で最善の敵機追尾や操縦方法を探るAI戦闘機の開発や、画像情報など大量のデータを分析し、ミサイル発射の兆候を探知するシステムなども研究している。

中国軍幹部「データが未来の戦場制する」

 一方、習近平国家主席が20…

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    伊藤大地
    (朝日新聞デジタル編集長)
    2021年6月21日17時23分 投稿
    【解説】

    現在のAIの流行は、機械学習の技術発展を背景とした第3次AIブームと呼ばれています。機械学習はさまざまな産業で応用が進んでいますが、中でも人間にとって強烈なインパクトをもたらす技術が、GANと呼ばれる敵対的生成ネットワークです。これは、AI

    …続きを読む