発信したデマを「泣く泣く」削除 運営者は連絡を絶った

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東京社会部・吉沢英将
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 市議会議員は容疑者の親戚――。茨城県で起きた一家殺傷事件をめぐり、容疑者と同姓で近所に住んでいた男性市議がネットで広まったデマに振り回された。

 この情報に私が気付いたのは、容疑者の男が逮捕された5月7日。男の自宅周辺での取材に加わっていた。人となりを探ろうとして見ていたSNSでは、市議に関する情報が飛び交っていた。

 後日、市議を訪ねると「容疑者と親戚ではない」と明確に否定し、無言電話や中傷メールが相次いだことを明かした。逮捕の翌日に訪れたなじみのゴルフ場では、職員の視線も普段と違うように感じたという。事件と無関係の市議の日常は一変した。

 デマを拡散したSNSの投稿には、いわゆる「まとめサイト」の記事へのリンクを張ったものが目立った。ひとたび事件が起きると、検索エンジンの上位にはこうした真偽不明の情報をまとめた同種のサイトが表示される。

 なぜデマを発信するのか。

 いくつかのサイトの運営者に取材を試みると、そのうち一人とメールでやり取りすることができた。

 運営者は、情報源はネット掲示板の投稿だと説明した。サイトの運営で生計を立てているとの説明や、大事件は収入を得る「好機」だという身勝手な主張、市議から削除と謝罪文の掲載を求められ「泣く泣く」応じたことを記事で紹介した。

 一方で書ききれなかったこと…

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