医療的ケア児支援法成立へ 保育所・学校に看護師ら配置
久永隆一 山下剛
胃ろうやたんの吸引、人工呼吸器といった医療的ケアが日常的に必要な子ども「医療的ケア児」と、その家族への支援を充実させる法案が今国会で成立する見通しになった。保育所や学校などに通う機会が平等に得られるように、医療的ケアを行う看護師らの配置を設置者に求めることなどが柱となっている。
10日の参院厚生労働委員会で全会一致で可決された。近く参院本会議で成立する。
厚生労働省によると、医療的ケア児は全国に推計で約2万人いる。生まれつきの病気や障害などの影響で医療的ケアが欠かせない。新生児への医療技術の進歩を背景に、こうした子どもたちは年々増えている。
2015年から、超党派の国会議員や支援団体などでつくる「永田町子ども未来会議」が法案内容の検討を進めた。提出した法案は国と自治体が支援の拡充へ必要なことをする責務がある、と明記。保育所や学校などへの看護師の配置のほか、各都道府県に相談や情報提供を行う支援センターを設けることも求められる。
法律上はこれまで、児童福祉…