おろち号の運行継続を要望 知事と沿線の首長

杉山匡史
[PR]

 JR木次(きすき)線を走る観光列車「奥出雲おろち号」(3両編成)をめぐり、JR西日本が2023年度での運行終了を発表したことを受け、島根県知事と沿線4市町の首長は7日、米子支社(鳥取県米子市)で牧原弘支社長に再考を求めた。JR側は方針見直しを示さなかったが、県が観光振興などを含めた議論の調整をすることで合意した。

 要望は冒頭以外は非公開。丸山達也知事と石飛厚志・木次線強化促進協議会長(雲南市長)、松江、出雲両市長、奥出雲町長が出席。石飛会長が牧原支社長に要望書を手渡した。

 要望書は、木次線は生活に欠かせない路線で、おろち号の運行終了が沿線地域に与える影響は非常に大きいことを強調。SLなどのように車両の古さが魅力の観光列車であり、現行車両での運行継続を再検討するよう求め、現行車両で継続できない場合は後継車両の整備を具体的に検討してほしいと訴えている。

 終了後、石飛会長は「おろち号は地域で盛り上げてきた宝。代替案も含めて議論を整理する。JR側への支援も含めて考えていく」、丸山知事は「SLが走っている事実がある。車両更新に対して、踏み込んだ支援も含めて検討が必要になる」との考えを示した。

 一方、牧原支社長は「終了方針を伝えたが、行政側の提案は聞いたばかりだ。木次線沿線の観光振興などで議論することを提案した」と述べ、木次線の存廃判断との関係は否定した。

 おろち号はディーゼル機関車と窓を取り払った開放的なトロッコ車、雨天時などに客が乗る控車(ひかえしゃ)で編成している。1998年4月の運行開始時から使用する車両は70~78年の製造で老朽化が進行。23年で車検が切れるトロッコ車を更新せず運行を終えると発表した。(杉山匡史)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら