あの電車の座席、手触りいつでも モケットグッズが人気
おなじみの電車やバスの座席に使われている生地「モケット」を使ったペンケースやバッグが人気を集めている。生産しているのは大阪で90年余り、鉄道やバスの座席を手がけてきたメーカーだ。その品質へのこだわりがファンの心をくすぐっている。
「ずっと触ってしまいそう」「机の上に置いておくだけで満足度高い」
日本シール(大阪市住之江区)が出したモケットペンケース(税込み3450円)を購入した人がSNSに投稿した感想だ。
通販サイト・アマゾンの「日本シール」ストアには、クッション(同1万800円)やトートバッグ(同1万8500円)なども並ぶ。いずれもやや高めに思えるが、新商品は発売直後に売り切れることも多い。
日本シールは1922(大正11)年に大阪で創業し来年100年を迎える。31(昭和6)年に当時の国鉄への納入業者に指定されるなど、鉄道やバスの座席を長く手がけてきた。59年に同社が開発し、生地の摩擦で衣服のほこりをとる「エチケットブラシ」も登録商標だ。
同社が、モケットを使った一般向けグッズを初めて販売したのは昨年秋だ。取引先の銚子電鉄(千葉県)からの「今までになかった鉄道グッズを作りたい」との相談がきっかけだった。
経営難が続く銚子電鉄はぬれ煎餅(せんべい)の販売などユニークな増収策に取り組んできたことで知られる。話し合いを重ね、車両のモケットを使ったクッションを作ることに。銚子電鉄サイトで販売すると、同1万1千円と高額にもかかわらず売れ行きは好調だった。そこで「ほかの鉄道・バス会社ともコラボを」と考えた。
昨年12月に発売したのは、64年に開業した東海道新幹線の初代車両0系の座席モケットを使った商品だ。深い青色の生地は、当時の国鉄で広く使われたものだ。
続いて大阪メトロ、阪急バス…
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