コロナ起源調査、WHO再び検討へ 米が要求「不十分」

ローマ=大室一也 ワシントン=合田禄
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 新型コロナウイルスの起源に関して、世界保健機関(WHO)は28日、近く次の調査の検討を始める方針を明らかにした。広報担当者が会見で話した。再調査については27日、ジュネーブの米国代表部が声明でWHOに要求していた。バイデン米大統領も26日、中国の研究所から流出した可能性も含めて米情報機関に追加調査を指示しており、新型コロナをめぐる米中の亀裂が深まる可能性もある。

 WHOによると、事務局が次の調査に向けた提案を準備し、テドロス事務局長が加盟国と検討する見通しだという。

 新型コロナについては、WHOの専門家チームが中国の武漢ウイルス研究所を現地調査し、3月に「研究所から流出した可能性は極めて低い」とする報告書を公表した。声明は「調査が不十分で確定的ではない」と指摘。中国も加わり、早期に透明性のある再調査を実施するよう要望し、データへの十分なアクセスや検体の提供なども求めた。

 一方、バイデン氏は27日、米情報機関に指示した新型コロナの起源の調査について、結果を公表する意向を示した。記者団から「90日間の調査後に完全な報告書を公表すると約束するか」と問われ、「する。私の知らない何かがあれば別だが」と答えた。情報機関からの報告が機密扱いと判断された場合について留保をつけたとみられる。

 ただ、米国の情報機関を統括する国家情報長官室は「起源を突き止めるため、すべての証拠や異なる見解を熟慮し、新たな情報の収集と分析を続ける」とする声明を発表。「現時点では、米情報機関は新型コロナウイルスの感染が正確には、どこで、いつ、どのように始まったのか知らない」としている。(ローマ=大室一也、ワシントン=合田禄)

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