第2回閉鎖ホテルに集まった12人の歴史的評決 全員の答えは「G」だった

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 人生で差別を経験したことはありますか――。そう問うと、ブランドン・ミッチェルさん(31)は鼻で笑った。「ミネアポリスで育った黒人の男性が、どれぐらい差別に直面してきたのか、わかっていないひとが多いよね。差別は日常のことだ。小さいものも含めれば、毎日といっていい」

 ミッチェルさんは3~4月、黒人男性のジョージ・フロイドさん(当時46)が米ミネソタ州ミネアポリスで亡くなった事件で、殺人などの罪に問われた元警官の公判の陪審員を務めた。生まれ育った境遇も、肌の色も体格も、フロイドさんとは重なる部分が多くあった。

 「ジョージ・フロイドは、私なんです」。そう話すミッチェルさんは公判中、「陪審員をやめたい」という思いを抱きながらも、最後まで責務をまっとうした。陪審員12人でなにを話し、どのように被告の「有罪」を決めたのか。5月上旬、自宅での取材に詳細を明かした。

「まるで映画のようだった」

 4月19日午後。1時間40分にわたる検察側の論告、2時間40分の弁護側最終弁論を終え、元警官のデレク・チョービン被告(45)の刑事裁判は結審した。

 12人の陪審員は法廷から出…

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連載フロイドさん事件 陪審員の証言(全2回)

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