胸の中で拍手が鳴りましたし、聞こえました――。宝塚大劇場で10日、初の無観客公演が行われた。緊急事態宣言下で公演中止を余儀なくされたなかでの異例の措置。7月に退団するタカラジェンヌ6人が、大劇場に別れを告げた。
画面の向こう側へ、届ける愛
この日は花組公演「アウグストゥス―尊厳ある者―」「Cool Beast!!」の千秋楽。だが公演は約2週間にわたりストップしており、1日限りのライブ配信となった。
無観客だと実感したのは、ショーのデュエットダンスの場面。いつもなら大きな拍手が巻き起こるはずなのに、今回は無音に。代わりにトップスター柚香光(ゆずかれい)がカメラに向かって投げキスを飛ばし、相手役の華優希(はなゆうき)とともに手を振った。画面の向こうで見守るファンへ、愛を届けようという思いがひしひしと伝わる。
本編に続き、午後4時すぎから始まったサヨナラショー。この公演で退団する華や、瀬戸(せと)かずやの思い出の曲がちりばめられた。
「どんな激動の時代にも…」
冒頭で華は、きらめく大階段の真ん中でスポットライトを浴びた。水色のドレスにティアラをつけた姿に、柚香は「お姫様みたい」と笑顔。「TAKARAZUKA花詩集100!!」から一気に4曲を歌い踊った。
男役を18年追求した瀬戸は…
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