札幌の「まん延防止」指定要請決定 時短は午後8時まで

中野龍三 松尾一郎
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 北海道は5日午後、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、感染が急拡大している札幌市について、コロナ対応の特別措置法上の「まん延防止等重点措置」の対象に指定することを政府に要請することを決定。同日夜に政府に要請した。指定までの間、感染拡大を防ぐ独自対策として札幌市内の飲食店へのさらなる時短も要請。営業終了を求める時刻をこれまでの「午後9時まで」から、「午後8時まで」に繰り上げる。時短はゴールデンウィーク特別対策として11日まで行うが、鈴木直道知事は延長も視野に検討していることを明らかにした。

 また道は、札幌市内の入院患者数が4日時点で346人、病床使用率が実質9割になったため、札幌市や道医師会など関係団体とともに「札幌市医療非常事態宣言」を出した。対策本部会議で鈴木知事は「札幌市内でのこれ以上の感染急拡大を抑え、医療提供体制の崩壊を防がなければならない。全道への急速な拡大を防げるかどうかの重要な局面だ」と述べた。

 札幌市も市対策本部会議を開き、秋元克広市長は「市の新規感染者数、病床の逼迫(ひっぱく)は厳しい数字になっている。感染拡大をしっかり止めていくために、改めて市民・事業者に協力をいただきたい」と訴えた。

 道は今後の目標として、道内の新規感染者数を「週133人以下」、病床使用を「250床以下」に設定。札幌市内での不要不急の外出自粛、札幌と道内他地域との往来自粛に加え、6日から札幌市内の飲食店に対し、さらに1時間の時短を要請する。

 営業時間は午前5時から午後8時まで、酒類提供時間は午前11時から午後7時までとし、協力する事業者には、中小企業の場合3万~10万円の支援金を支給する方向。カラオケのある飲食店には、感染防止対策が徹底できない場合にカラオケの利用を控えるようにも求める。

 このほか、観光施設の屋外照明や繁華街の屋外広告も午後8時以降の消灯を求める。全事業者の7割を目標にテレワークなどの実施を求める。

 札幌市も独自に、市立学校の修学旅行を当面延期するほか、部活動の原則休止措置をゴールデンウィーク特別対策の期限の11日以降も続ける。(中野龍三、松尾一郎)

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