「五輪見届けたいが…」 都庁職員からも中止求める声

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軽部理人 斉藤佑介 野村周平
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 東京オリンピック(五輪)の開幕まで3カ月を切る中、準備を担当する東京都の職員が複雑な思いを抱えている。小池百合子知事は「安全、安心な大会の実現」を訴えるが、新型コロナウイルスの感染拡大は収まらず、大会開催に向けた逆風は強まるばかり。担当の職員が最終準備に追われる一方で、五輪開催に懐疑的な職員も少なくない。「知事は中止のプランも考えるべきだ」と言う幹部もいる。

 大会準備を担当する都のオリンピック・パラリンピック準備局(オリパラ局)は、都庁第1庁舎(新宿区)の14~15階にある。都内を走る聖火リレーの調整、競技場周辺でのボランティア指導、最寄り駅から会場までの警備対策など担当する準備は様々だ。

 ある職員は、前回のリオデジャネイロ五輪で日本が銀メダルを獲得した陸上の男子400メートルリレーに感動して、オリパラ局への異動を希望したという。「スポーツには世の中を明るくする力があると真剣に思う。コロナで疲弊した世の中だからこそ、オリンピックが光になってほしい」

 今は大会に向けた最後の仕事に追われる時期だ。「今まで準備をしてきたからこそ、オリンピックを見届けたい思いは強い」とする一方で、苦しい胸の内も明かす。「コロナで大変な思いをしている人からすれば、オリンピックどころではないという気持ちになるのもよく分かる。とても複雑です」

 小池知事は、3度目の緊急事態宣言の発出が決まった23日の会見で「安全安心な大会を開催するという都の方針に変わりはない」と述べた。ある都幹部も「何だかんだ言われても、絶対に開催する」と強気な姿勢をみせる。

 だが、都庁内では五輪開催に懐疑的な職員は少なくない。

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