医療従事者の美を追い求め 白衣デザイナーが描く理想服
江口英佑
凄腕しごとにん
ナガイレーベン 渡井哲夫さん(48)
追い求めるのは、「集団美」だ。医療現場で、組織全体が美しく見えるような「ユニホーム」を日々考える。「白衣を着る人の年齢層は20代から高齢まで。普通の服は個人の趣味だが、白衣はみんなに満足してもらえないといけない」
形も「Vネック」「半袖」、長さも「女性だったらお尻が隠れるまで」など様々な制限がある。「フォーマットは、ある程度決まっている。その中で、いかに行き過ぎない個性を入れ込むのか、です」。多くの人が着たときの秩序を意識しつつ、新しいデザインを模索する。
デザイン画は一つの製品で、納得できなければ100枚でも描く。これまでにデザインした白衣は約500点にのぼる。
デザインした白衣に、二の腕から両肩にかけて太く水色のラインが入ったものがある。真っ白な白衣と比べ、スタイリッシュに見える製品だ。「これを着た人が円陣を組み、上から見ると円になります。『チームの和』というメッセージを込めました」
デザイナーながら、2~3年…