正倉院宝物の「再現品」一堂に 九州国立博物館で特別展
今井邦彦
奈良・正倉院に伝わる工芸品を忠実に再現した模造作品を公開する特別展「よみがえる正倉院宝物 再現模造にみる天平の技」(宮内庁正倉院事務所、九州国立博物館、朝日新聞社など主催)が20日、福岡県太宰府市の九州国立博物館で始まる。19日には内覧会が開かれた。
正倉院には、奈良時代に東大寺を創建した聖武天皇ゆかりの宝物を始めとする約9千点の品々が収められている。中でも工芸品は、国際色豊かな天平文化が生み出した一級品ばかり。明治時代から当代の名工が模造の制作に取り組み、現在も正倉院事務所のもとで、伝統の技術と最新の研究成果を融合した再現模造品が生み出されている。
会場には作品や関連資料など86件を展示。宝物の中でも人気が高い「螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)」の模造は、明治と平成に作られた2点が並んで展示され、招待者らが熱心に見比べていた。
6月13日まで。入場料金一般1600円など。