講談社、文庫本をフィルム包装 もう立ち読みできない?
貞国聖子 赤田康和
出版大手・講談社(東京都文京区)が小説などの文庫本のフィルム包装を始めた。同社は「消費税を含んだ総額表示に対応するため」と説明する。書店や消費者からは「立ち読みを通じた本との出会いの機会が減ってしまう」などと残念がる声も出ている。文庫本は立ち読みできない時代が来るのか。
同社広報室や公式ツイッターによると、今月15日発売分の「講談社文庫」とエンターテインメント小説の「講談社タイガ」の2レーベルで包装を始めた。
当面、新刊を対象とする。3月末で消費税額を含んだ支払総額の表示義務の免除期間が終わったことに対応するもので、フィルムの上にシールで税込みの値段を貼っている。
同社は、漫画は2013年からフィルム包装をして出荷しており「きれいな状態で買えることを歓迎する消費者は少なくない」(関係者)とみる。
書店側の判断で包装を外して店頭に並べるのは可能とし、包装を外した文庫本が売れ残った場合の書店からの返品も通常通り受け付けるという。
消費者からは「きれいなまま購入できるのはうれしい」と歓迎する声がある一方、不満も漏れる。
■書店からは「積極的に開封」…