肺移植の対象患者「かなり限られる」 手術は通常態勢で
京都大学病院は8日、新型コロナウイルスによる肺炎が重症化した患者への生体肺移植手術をしたと発表した。世界で初めてという。担当した伊達洋至・京都大病院呼吸器外科長は記者会見で、「大変困難な手術だったが、乗り越えられた」と振り返った。主な質疑応答は以下の通り。
Q 世界初の生体肺移植になった背景は。
A 日本の肺移植の8割ぐらいが脳死肺移植になっているが、移植までの待機期間は800日を超えている。急速に状態が悪くなっている患者に脳死肺移植するのは難しい状況だった。
Q 新型コロナゆえの困難さはあったか。
A PCR検査で2回陰性が確認されてから、かなりの期間が経っているので、感染の心配はないと判断し、通常の手術態勢で臨んだ。
一方で、新型コロナで肺が障害を受けているので、炎症反応が起き、ひじょうにもろい肺で、出血しやすい状態になる。難しいのは、出血をいかにコントロールしながら手術を行うかということだった。
Q 術後の患者の状態は。
A 体外式膜型人工肺(ECMO)からは外れているが、人工呼吸器は付けている。
Q 患者はコロナ感染前に肺などに病気を抱えていたか。
A まったく基礎疾患はなく、大変元気だった。
Q 他のECMO管理にある患者にどの程度広げられるのか。
A これまでECMO管理にあった人の何名かは、いると思っている。高齢や基礎疾患がある人が多いので、かなり限られた人になるとは思う。
Q 臓器提供者(ドナー)と…
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