ワクチン大国インドに第2波 世界への供給に遅れ懸念

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ニューデリー=奈良部健
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 新型コロナウイルスの感染者数が急増する「第2波」にインドが見舞われている。政府が7日に発表した1日当たりの新規感染者数は11万5736人で、過去最高を更新した。ワクチン製造大国として世界に新型コロナウイルスのワクチンを供給してきたインド。国内需要の高まりで、特に新興国への供給に遅れが出る恐れが出てきた。

 インドの1日当たりの新規感染者数は、昨年9月の9万9千人をピークに減少を続け、今年2月には8千人台となっていた。しかし、3月中旬から感染が急速に拡大。インドは累計感染者数では米国やブラジルより少ないものの、新規感染者数が急増している。

 特に商都ムンバイのあるマハラシュトラ州の感染が深刻で、インドの新規感染者数の過半数を占めている。同州では、先月28日から夜間外出禁止令を出した。さらに5日からは、食料品などの店を除いて市場やモールの閉鎖を月末まで続ける。5人以上で集まることも禁じた。

 首都ニューデリーでも、6日から4月末まで、夜間の外出が禁止された。

 「マスクの着用や人との距離をとるといった、基本的な予防策が徹底されていないことが増加の背景にある。ワクチン接種が始まっても、こうした基本は重要であり続ける」。バルダン保健相は6日、感染者数が増えている州の保健担当閣僚を集めた会議でこう述べ、予防策の徹底を訴えた。昨春の感染拡大初期にはマスクの着用が徹底されていたが、その後は郊外では、マスクをしている人はほとんど見られなくなった。

ワクチン接種したら「自撮り」

 インド政府は、国民にワクチン接種を促して感染拡大を食い止めるため、さまざまな政策を打ち出している。

 北デリー地区では、同居家族全員がワクチン接種を受けて接種証明書を提示すれば、自宅などにかかる今年度の資産税を5%還元する方針を明らかにした。病院には接種後の「自撮り」ブースが設けられ、そこで写真を撮る姿が見られる。自撮り写真がSNSで拡散されることによって、接種への認知を高める狙いがあるという。

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