たまひよ、「主人」「旦那」やめた TDL園内放送も…

才本淳子
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 主人? 内助の功? 社会のジェンダーレス化が進むなか、言葉のとらえ方が変わりつつある。企業や自治体は、さまざまな対応を取り始めた。(才本淳子)

 ジェンダーをめぐる表現は、さまざまな現場で変化を見せている。

 出産・育児雑誌「たまごクラブ」「ひよこクラブ」(ベネッセコーポレーション)は、16年ごろから「主人」「旦那」を原則、使わない。親の上下関係を想起させるためだ。子育てを母親に限定させない考え方にも基づく。

 また、子連れの再婚家族(ステップファミリー)や同性カップルなど、家族の多様性を反映し、読者アンケートに「配偶者やパートナー」と載せる。

 兵庫県伊丹市には、広報の表現ガイドラインがある。見直したい言葉として、「お母さんの子育て」を「あなたの子育て」に、「内助の功」という表現は使わず「よきパートナーとして」をすすめる。埼玉県横浜市にも指針がある。

東京ディズニーランド「Ladies and Gentlemen」改め…

 東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシーは3月、園内アナウンスを改めた。それまでの「Ladies and Gentlemen, Boys and Girls」(レディース・エンド・ジェントルメン、ボーイズ・エンド・ガールズ)から、「Hello Everyone」(ハロー エブリワン)と、性別を特定しないようにした。日本航空は20年10月から、機内や空港で同様に呼びかけている。

 ジェンダー問題に詳しいジャーナリスト治部れんげさんは、TDLなどについて「性別や年齢で分類せず、誰も排除しないというメッセージが伝わる」と評価する。「顧客の声を受けて企業も変わるし、企業の発信が受け手の意識を変える可能性も大きい。いい発信があれば(SNSで)『いいね』と応援することも大切です」と語る。

 一方で、性別に基づく「らしさ」の決めつけや、上から目線の広告などが批判される事例も後を立たない。「ジェンダー視点での批判は昔からあったが、ツイッターなどで違和感の声を上げやすくなった。関心をもって変えようとする層と、変化についていけていない層の分断も感じる。よりよい発信をするためには、作り手側のメンバーの多様性も重要」と指摘する。

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男女格差が主要先進国で最下位の日本。この社会で生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。性別に関係なく平等に機会があり、だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダー〈社会的・文化的に作られた性差〉について、一緒に考えませんか。[もっと見る]