デジタル改革法案、衆院通過 個人情報保護などに懸念
デジタル庁創設や個人情報保護法改正を盛り込む「デジタル改革関連法案」が6日、衆院本会議で自民、公明、日本維新の会、国民民主各党の賛成多数で可決された。菅義偉首相の肝いり「デジタル庁」を司令塔に、データ利活用による利便性をアピールする。ただ、個人情報保護や監視社会に関する懸念は残ったままで、参院審議でも焦点になりそうだ。
「新型コロナウイルスとの戦いは、行政サービスや民間におけるデジタル化の遅れなど様々な課題を浮き彫りにした。改革を一気に加速し、誰もがデジタル化の恩恵を最大限に受けることができる世界最先端のデジタル社会を目指す」
菅義偉首相は6日、世界経済フォーラムが開いたオンライン会合へのメッセージでこう訴えた。
法改正のきっかけは、コロナ禍で一律10万円を配る特別定額給付金などの公的な給付金のオンライン上の手続きが滞ったことだった。はんこを必要とするさまざまな行政手続きもテレワーク推進の障害になった。
今回の法案では、首相をトップとするデジタル庁のもとで、省庁や各自治体でばらばらだった個人情報保護のルールやシステムを共通化させていく。
さらに、マイナンバーに預貯金口座をひもづけ、公的な給付金の受け取りをスムーズにし、災害や相続時の口座照会も可能にする。マイナンバーカードの機能をスマートフォンに搭載できるようになる。平井卓也デジタル改革担当相は将来的に「すべての行政手続きをスマートフォン一つで60秒以内に可能にする」と強調する。
首相は今秋までに必ずある衆院選をにらみ、目玉政策を実績にすべく急ぐ。昨年9月の自民党総裁選で「デジタル庁」創設を公約に掲げた後、政権発足から5カ月足らずで法案を閣議決定した。
しかも、9月のデジタル庁設置に間に合わせるため、「霞が関の常識を超えたスピード」(平井氏)で法案の作成が進められ、新年度予算が成立する前に、重要法案が審議入りするという異例の展開に。「早く審議入りするため作業時間がなくなった」(内閣官房幹部)ため、国会提出後に要綱などに計45カ所の誤りが発覚した。
63本もの新法や改正案が一つに束ねられた法案の衆院内閣委員会での審議時間は、参考人質疑も入れて27時間25分。野党や日本弁護士連合会、市民団体が指摘していた個人情報保護など、課題の多くは積み残しになり、政府への注文などとして28項目もの付帯決議がついた。
自治体が作った個人情報保護ルール「リセット」
「個人情報保護をはじめとする個人の権利が十分に守られていることを担保することが、デジタル化の推進には不可欠だ」
デジタル庁設置法案には賛成したが、個人情報保護法改正案などで反対に回った立憲民主党の松尾明弘氏は、衆院本会議でこう指摘した。
デジタル改革関連法案の柱の…
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