厳選豆 障害者カフェ 宇治市植物公園にオープン

小西良昭
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 障害者による接客をめざすカフェが3日、京都府宇治市広野町の市植物公園にオープンした。運営するのは、障害者を雇う久御山町のNPO法人・京都フォーライフ。井上学理事長(59)は「鮮度のいい豆を使ったコーヒーを知ってもらい、障害者の新たな職場になれば」と期待する。

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 店名は「フォーライフカフェ」。当面は一般のスタッフで接客を始めて、徐々に障害者のスタッフを増やし、秋ごろに障害者中心の店にしていく。カフェに興味をもつ障害者が4、5人が働く予定だ。

 場所は、公園内で営業していた別の喫茶室が撤退した後のスペースを使った。22席あり、午前10時~午後4時に営業する。自家焙煎(ばいせん)した豆を使う「フォーライフコーヒー」は税込み380円から。同600円のケーキセットや、豆も販売する。

 京都フォーライフにとってカフェ運営は初めてだが、必然ともいえる取り組みだ。神奈川県の販売会社「葉山コーヒー」から仕入れた豆を、障害者の従業員が選別し、通信販売などで販売してきたからだ。

 2008年のNPO設立後、重い知的障害のために企業への就職が難しい人を雇い入れ、フルタイムの仕事を提供してきた。久御山町にある事業所では88人が働き、3年前に始めたコーヒー関連の仕事を通して、カフェに興味をもつ人が出てきたという。

 公園を管理する公益財団法人宇治市公園公社も、スペースの使用料を安く設定して協力した。公社の安田修治事務局長(62)は「来園者と福祉業者の役に立てば、うれしい」と話す。

 店では週末や祝日に、地元の福祉施設・授産施設で障害者が作る菓子などの製品や、市民サークルの手作り品の販売も考えている。公園と同じ月曜が休み。問い合わせは、京都フォーライフ(0774・66・3301)へ。

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