温室ガス削減、見直し加速 経産省VS環境省の様相も
戸田政考 新田哲史
菅政権が掲げる温室効果ガスの排出「2050年実質ゼロ」の実現に向け、中間に位置する30年目標の見直し作業が加速している。欧州が高い目標を掲げ、米国にもそれに続く動きがある。日本が15年に決めた政府目標「26%削減(13年度比)」を、どれだけ引き上げられるかが焦点になる。
この問題の牽引(けんいん)役の一人である小泉進次郎環境相は、2日午前の閣議後会見で強調した。「国の野心的な目標が非常に重要だということが、共有されたのではないか」
その2日前の3月31日、菅義偉首相は肝いりの「気候変動対策推進のための有識者会議」の初会合で、「世界の脱炭素化に積極的に貢献し、国際社会の議論をリードするために政府一体となって検討を進めていきたい」との考えを示した。会議には、学習院大の伊藤元重教授を座長として、環境派ともいえる学者や専門家、経済界からは再生可能エネルギーの調達に積極的に取り組むソニーやイオンの役員らが名を連ねる。
焦点は30年目標「26%削減」の引き上げだ。会議では「50%削減(13年度比)」と具体的な数値を提言した有識者もいた。会議を担当する幹部官僚は「数値や時期を決める場ではない」としつつ、「総理の知恵袋的な位置づけだ」と、会議の重みを強調する。
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