ワクチン接種、47人にアナフィラキシー 厚労省が公表

富田洸平
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 米ファイザー社製の新型コロナウイルスのワクチン接種について厚生労働省は26日、専門家の部会を開き、国内でこれまでに47人が、重いアレルギー反応の「アナフィラキシー」と国際基準に照らして判断されたと公表した。アナフィラキシーの症状がなかった20代の女性が接種後に死亡したことも報告された。接種後に亡くなったのは2人目。接種との因果関係は評価不能としている。

 医療従事者の先行接種は25日までに延べ77万5122人が受け、このうち3万7450人が2回目を受けている。24日までに医療機関から報告があったアナフィラキシー疑い事例は計237人。うち、21日までに報告のあった181人を国際的な基準で分析した。

 この基準によると、アナフィラキシーの判断には、二つ以上の症状が突然現れ、急速に進行することが必須条件だ。さらに皮膚や循環器、消化器別に起きた症状をチェックし、症状の組み合わせでレベル1~5に分類。1~3に該当すれば判断する。47人が該当し、女性は44人、男性が3人だった。せきや発疹、じんましんなどの症状が出た。全員が軽快・回復しているという。

 26歳の女性が接種後に死亡したことも報告された。医療機関の報告では、女性は19日に接種。その後アナフィラキシー反応などはなかった。23日に出勤せず、自宅で死亡が確認された。女性の死因は脳出血くも膜下出血。全身のコンピューター断層撮影(CT)で確認すると脳内に血腫があり、腫瘍(しゅよう)からの出血が疑われるという。部会は「より詳細な情報が必要で、脳出血による死亡と接種の因果関係は評価不能」とした。接種後の死亡は61歳の女性に続き2例目。この女性もくも膜下出血で亡くなっているが、部会は「因果関係を検討するための情報が不足している」とした。

 部会では、先行接種を受けた人に対する健康調査の中間報告も公表された。2回目を受けた3933人では、37・5度以上の発熱が35・6%で1回目(1万9035人)の3・3%より高かった。だるさ67・3%(1回目23・2%)、頭痛49・0%(同21・2%)といずれも1回目より高い。(富田洸平)

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