委員会終了は午前4時 コロナで疲労の都職員も徹夜対応

軽部理人
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 会派間対立で空転し、委員会が終了したのは午前4時すぎ――。開会中の東京都議会厚生委員会で23日未明、そんな出来事があった。未明まで付き合わされる形になったのは新型コロナウイルス感染対策を担当する福祉保健局などの職員で、「今夏の都議選を見据えた『政局』なのだろうが、巻き込まないでほしい」との声が出ている。

 委員会が空転する契機が、子どもに関する政策の推進などを定めた議員提案の「こども基本条例案」だ。条例案はもともと、公明党が作成。自民党と東京みらいなどの各会派が共同提案者に名を連ね、15日の委員会で質疑した。

 ところが、共産党と最大会派の都民ファーストの会が条例案の「修正案」を18日に提出。議会関係者によると、公明などは猛反発し、修正案を撤回することを迫って委員会が開けなくなった。22日深夜に、全会派が相乗りする条例案を作ることで決着し、午前3時半に始まった委員会が終了したのは午前4時14分だった。

 会派が対立する背景の一つには、7月に控える都議選に向け、各会派とも政策の実行力をアピールするため妥協できない事情があったとみられる。

 だが、その影響を受けたのが現在、コロナ対策に当たっている部局の職員。局長などの職員が長時間の残留を余儀なくされた。職員の一人は「ホテルでの仮眠や、一睡もせずに働いていた職員もいる。政局で議会を空転させるのは勘弁してほしい」と疲労の色を隠さなかった。軽部理人

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