凍結中の大戸川ダム計画再び 嘉田元知事「他の方法を」

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聞き手・新谷(しんや)千布美
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 国が建設を凍結している大戸川(だいどがわ)ダム(大津市)が、着工に向けて再び動き出した。2008年に滋賀県知事として大阪・京都・三重の3府県知事と共に建設に反対を表明した嘉田由紀子・参院議員(70)=無所属=に、改めて建設の是非を聞いた。

 ――方針転換を率直にどう評価しますか

 十分に議論されていないと思います。2009年の凍結前、国の第三者機関「淀川水系流域委員会」は9年にわたり約400回議論しました。今回の方針転換を前に、滋賀・大阪・京都の3府県が行った勉強会や有識者会議はそれぞれ3回。「豪雨」が利用されている印象です。

 ――台風や豪雨での被害は、大阪の淀川周辺で最大9兆円、京都の桂川周辺で3兆円との想定もされています

 同様の想定は、凍結前もありました。100年から200年に1回の大雨33パターンのうち2パターン、ちょうど大雨が大戸川ダムの上流に降った場合でした。しかし実際の雨の降り方はもっと多様です。

 ――1パターンでも可能性があるなら、対策すべきではないでしょうか

 むしろどんな降り方にも対応…

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