脱獄不可能な「監獄島」を再開? トランプ大統領発信、広がる困惑

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サンフランシスコ=奈良部健

 米西海岸の都市サンフランシスコの沖合にあり、脱獄不可能といわれた「監獄島」アルカトラズ島が注目されている。島の刑務所の再開を、トランプ米大統領が突然、指示したからだ。60年前に閉鎖され、現在は観光地となっている刑務所の再開をいま、なぜ――?

 独房の便器は粉々に壊され、建物のコンクリートは一部が崩れ落ちていた。囚人らの運動場だった場所は、海鳥のふんに覆われて真っ白だった。

 サンフランシスコからフェリーに乗って15分ほど。「カツオドリの島」というスペイン語の由来通り、海鳥が飛び交う島を歩いた。

 刑務所として使われたのは1934~63年。東京ドーム2個分ほどの広さの島は、周囲の潮流が速く、脱獄できない堅牢ぶりで知られ、「ザ・ロック(岩)」の異名もある。米国で最も恐れられたギャング、アル・カポネも収監されていた。

 その暗い歴史も資源となり、今は年間150万人が訪れる「観光島」に姿を変えた。そんな島を今月4日、意外な知らせが襲った。

 「米国はあまりにも長い間…

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この記事を書いた人
奈良部健
サンフランシスコ支局長
専門・関心分野
テック、インド、財政と政治、移民難民、経済安保
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