投資アプリで大混乱の米株式市場 結局、損をしたのは

ニューヨーク=江渕崇
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いちからわかる

 Q 米国の株式市場で個人投資家の「反乱」が話題になったの?

 A ゲームストップというゲーム販売店の株式をめぐる騒動だね。SNSでつながった若者らが一斉に同社の株を買い、年初に20ドル以下だった株価は1月末に一時400ドルを超えた。株価下落に賭けて同社の株を「空売り」していたヘッジファンドは大損を出した。若者たちは、様々な手法でもうけているファンドを「力を悪用している」と敵視し、ねらいうちにした。

 Q 「空売り」って何?

 A ほかの投資家から株を借りてきて市場で売り、一定期間後に買い戻して株を返す取引だ。株価が下がれば差額がもうかるが、上がると損が膨らむ。手元になかった株を売りに出すことから「空売り」という。

 Q 株ってそんなに簡単に取引できるの?

 A 米国では「ロビンフッド」という日本にはない投資アプリが人気で、1千万人以上が使っている。売買手数料が無料なこともあり、スマホでゲームを楽しむ感覚で、株やビットコインを売買できる。コロナ禍による「巣ごもり生活」で、時間を持て余した若者らが引きつけられたんだ。

 Q 問題はないの?

 A ロビンフッドは新たに投資を始める人を増やした一方、知識も経験も不十分な人々を呼びこんで市場の「カジノ化」を進めてしまった面もある。ゲームストップ株の取引高が、アップルなど有名な銘柄を超えた日もあったんだ。

 Q 結局、個人投資家はもうかったの?

 A 取引過熱を受けて、ロビンフッドはゲームストップ株の取引を制限し、株価は約40ドルに急落した。その後、再び200ドルを超えるなどいまだ乱高下しており、この間、損をした投資家も大勢いる。米国の規制当局は、この騒動で相場を操るなどの違法行為がなかったかを調べている。(ニューヨーク=江渕崇

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