「夫婦別姓は子がかわいそう」と言う人へ 子どもの声は

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田渕紫織
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 結婚したカップルが同姓にするか別姓のままかを選べるようにする「選択的夫婦別姓」制度について、議論が続いています。反対論の中には、両親が別姓だと「子どもがかわいそうだ」「子どもが困る」というものがあります。実際、どうなのでしょうか? 夫婦別姓の当事者である記者(34)が、親が別姓である9~22歳の5人に聞きました。

 ――自分の両親が「別姓」と認識し気づいたのは、何歳のころですか?

 ともひろ(22) 小学校に入って友達の家に遊びに行くようになると表札が一つで、うちの家だけ二つ。でも特に疑問は持ちませんでした。

 当時僕はサッカーをやっていて、コーチをやっていた父とは名字が違いました。でも、父がPTAなどにもガンガン出てきていたおかげで、周りには「ともひろの家は仲はいいけど、なぜか名前が違うらしい」と認識されていたと思います。

 別姓という言葉を知ったのは大学生になってからです。

 かい(21) 10歳ぐらいの時、両親がすごくケンカをしていて、「そんなに嫌いなら離婚すればいいじゃない」と言ってしまったんです。そしたら、母に「いや、私たち離婚できないよ。そもそも結婚してないから」と言われて知りました。

 さらに小6で、(別姓を選ぶと法律婚ができないため)自分が「婚外子」という存在だということを知って、結構ショックでした。でも、自分の家族が間違っているものだと思ったことは1回もありません。

 けいたろう(18) 6歳のころ、小学校に入るタイミングで、母親の姓から父親の姓に名字が変わりました。周りからは「なんで?」と聞かれましたが、気にせずに「知らん」と流していました。

 でも高2の時に新聞で「選択的夫婦別姓」という言葉を知って、「うちみたいなのって珍しいの?」と親に聞いたら「そりゃ珍しいよ」と言われて。そこからLINEで友達50人ぐらいに「親の名字って同じ?」と聞きまくって、1人も別姓の人はいませんでした。引け目を感じたことはないです。

 ――家族で名字が違うことで、困ったり、面倒だったりしたことはありますか?

 ちひろ(12) そもそも親の名字を聞かれることがないので、話題にもならず、気にしないで生活しています。

(一同、うなずく)

 まなみ(9) 学校で友達と親の名前を当てっこするクイズをやるとき、ママと名字が違うから、「なんでお父さんとお母さんの名前違うの?」と言われたことはあります。

 その時は、一人一人から「なんでなんで」って聞かれるのが結構しんどくて、もう疲れちゃって。

 ――そう言われたら、どう返…

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この記事を書いた人
田渕紫織
東京社会部
専門・関心分野
災害復興、子ども