ジェノサイド認定は「下心あるデマ」 中国外相の猛反論

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北京=冨名腰隆 聞き手・高田正幸
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 中国の王毅(ワンイー)国務委員兼外相は7日、北京で開催中の全国人民代表大会全人代、国会に相当)にあわせて記者会見した。香港問題などで米国が批判を強めていることについて、「(米国は)民主や人権の旗を掲げて他国の内政に干渉し、動乱の原因を作ってきた」などと強い言葉で反論。ウイグル族へのジェノサイドが行われているとの指摘にも「下心のあるデマだ」と反発した。

 ブリンケン国務長官が3日の外交演説で、中国を「開放的な国際秩序に挑戦できる唯一の国」と位置づけるなど、バイデン政権はトランプ前政権に続き厳しい対中姿勢を示している。王氏は会見で、バイデン政権を強く牽制(けんせい)し、先鋭化する多くの課題で「譲歩はしない」との姿勢を強く打ち出した。

 トランプ前政権はウイグル族への弾圧について、民族的な集団の破壊を意図した集団殺害や出生防止措置などを指す「ジェノサイド」と認定し、バイデン政権も踏襲している。これに対し、王氏は「言語道断で下心のあるデマだ。一部の西側の政治家が問題を作り出している」などと批判。「ジェノサイドと聞いて多くの人が思い至るのは、16世紀の北米大陸の先住民や19世紀の黒人奴隷らのことだ」などといった主張も展開しつつ、激しく反発した。

 米国が関与を強める台湾については「両岸(中台)の統一は必然」としたうえで、「『一つの中国』原則は中米関係の政治的基礎で、越えてはならない一線だ。(トランプ)前政権の『火遊び』のような危険な手法は徹底して改めるべきだ」と注文をつけた。

 香港の選挙制度改変については「祖国への忠誠は公職者の基本的な政治倫理。改変は憲法が全人代に付与した権限と責任だ」と正当化し、南シナ海問題などでも米国への対抗意識を強く打ち出した。

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