動物虐待と批判された上げ馬神事 2mの壁を撤去、地元の不安と期待

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高田誠
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 三重県桑名市の多度大社で5月4、5日、県無形民俗文化財上げ馬神事」が催される。「動物虐待ではないか」との批判を受け、今年から高さ約2メートルの土壁をなくすなどした。大社前で料理店を営む平野博起さん(60)は「迫力がなくなるかな」と盛り上がりに欠けるのを心配しながらも、「見る人が納得して楽しんでもらえれば」と期待する。

 大社の石段わきの坂には厚さ10センチ程度の白い川砂が敷かれている。馬の脚に負担にならないよう配慮した。なだらかな勾配の頂上に土壁はない。坂に慣れさせるため馬のリハーサルも20日に初めて行われた。

 上げ馬神事は約700年前の南北朝時代に始まったとされる。武者姿の若者を乗せた馬が急坂を駆け上がり、高さ約2メートルの壁を乗り越えられるかどうかで豊凶を占ってきた。

 大社前に、1871(明治4)年創業という料理店「紅葉屋」がある。5代目店主の平野さんは厨房(ちゅうぼう)にいても、観客のどよめきで上げ馬に成功したかどうか分かった。

 「今年は『上げ馬』というより、『駆け抜け』になりそう。観客の反応が心配です」と、緩やかになった坂を見ながら少し寂しそうに言った。

ネットで写真や動画が拡散 全国から殺到した批判

 例年6地区から参加してきたが、今年は少子化などで見送る地区もあり、3地区のみの参加となる。

 昨年は2日間で計18回挑み…

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