夢とケアの狭間で 若者ケアラーの孤独救うつながり

有料記事介護とわたしたち

北村有樹子 畑山敦子
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 病気や障害のある家族の介護や家事をする若いケアラーは、進学や仕事などとの両立に不安を抱えています。18歳未満の「ヤングケアラー」に対する認識は広がりつつありますが、1人で悩みを抱えがちなのはその上の世代も同じです。18歳以上の「若者ケアラー」を、どう支えればよいのでしょうか。

若いケアラーのリアルな声 13日、オンライン記者サロン

家族を介護する18歳未満のヤングケアラーの認識が広まりつつありますが、18歳から主に30代もケアと進学や仕事、子育てなどとの両立に悩んでいます。高校生の頃から母を介護し、若いケアラーが語り合うオンラインサロンを運営する宮﨑成悟さんと、若年認知症の母の介護を経験し、若いケアラーの取材もしてきた記者が、自身や当事者たちの経験を語りあいます。

精神不安定な母のケアと将来の夢 両立は

 京都市の大学院生の女性(23)は小学校高学年のころ、母が幻聴や妄想を訴えて精神的に不安定になった。幼稚園児だったとき、両親は別居し、母と2人暮らしになった。母が寝込むと友達の家で夕飯を食べさせてもらった。

 中学生時代は、最低限の家事をこなした。台所に入ると母の機嫌を損ねるので、食事はカップ麺やお菓子を食べてしのいだ。洗濯や掃除も目立たぬよう、夜中にした。

 無理やり外出に付き合わされ、家で落ち着いて勉強したいときにできないことが多々あった。母は女性が1人で外出することを認めず、「束縛されて、社会や人との交流が絶たれて苦しかった」。部活は練習が多く家を不在にする時間が長くなる第1希望はあきらめた。友達に遊びに誘われたとき毎回断るのが苦痛だった。ストレスからか女性は風呂場で叫んでいた。

 中学卒業後、親族の助けで母…

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