英国、素人の注射ボランティア オンラインで3万人育成

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ロンドン=下司佳代子
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 新型コロナウイルスのワクチン接種のスピードをさらに加速させようと、英国では医療資格を持たないボランティアを訓練し、注射を担ってもらう計画が進んでいる。目指す「注射ボランティア」の育成人数は春までに3万人以上。他国に先駆けて進む英国の大規模接種作戦を担う。どんな人がボランティアに参加しているのか。素人でも注射はうまく出来るのだろうか。

 フリージャーナリストのスージー・メジュアさん(45)は11日、ロンドン郊外のラグビー場を改装したワクチン接種センターで、70歳以上の高齢者5人にワクチンを注射した。

 1人目はぶっきらぼうで無口な男性。注射した瞬間に「オー!」と叫び、驚くメジュアさんにぼそっと「冗談だよ」。4人目の男性は「練習台になってあげる」と話し、メジュアさんの腕前に満足した様子で会場を後にした。

 「袖をめくってもらい、訓練で習った通りに三角筋を見定め、素早く針を入れて抜く。期待はずれというくらい、すぐに終わりました。痛い思いはさせていないと思います」と振り返る。これからも週1回、シフトに入るつもりだ。

 メジュアさんがワクチン注射を担当するボランティアに応募したのは1月4日の夜。この日、ジョンソン首相が、ロンドンがあるイングランド全域での3度目のロックダウン都市封鎖)を発表していた。6~12歳の3人の子が通う学校も閉鎖され、今後の生活を想像して気がめいった。眠れずにツイッターを眺めていて、見つけたのが、ボランティアの募集告知だった。

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