アイドルから七宝職人に 技と歌声で守る故郷の伝統工芸

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文・佐藤剛志 写真・河合真人
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 田村有紀さん(34)の生家は、伝統工芸品・尾張七宝の発祥の地で明治時代から続く窯元だ。大学時代にアイドル歌手としてデビューしたが、後継者難に陥る地元の窯元を見て、若い世代にも親しみを感じてもらえるような七宝焼づくりに取り組み始めた。尾張七宝のテーマソングをつくり、ユーチューブで制作の動画も公開する。

 銅や銀など金属の土台に、ガラス質の釉薬(ゆうやく)をのせて焼き付ける伝統工芸品、尾張七宝。江戸後期、オランダ船で輸入された皿を研究して生まれたとされる。発祥の地である愛知県あま市七宝町で、約140年続く窯元の5代目だ。

 建築を学ぶため武蔵野美術大学に進学した。在学中にスカウトされて、アイドル歌手「太田ゆうき」としてデビュー。年間200回ほどのライブは「自分が歌い方や見せ方を工夫すると、お客さんからすぐに反応があるのがうれしかった」という。

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 その一方で、作品づくりに打…

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