「アベノマスク」契約文書不開示は不当 大学教授提訴へ
新型コロナウイルス対策として政府が全国の世帯に配った布マスク、通称「アベノマスク」をめぐり、業者との契約の過程が記された文書が開示されないのは不当だとして、神戸学院大の上脇博之(ひろし)教授が国に不開示決定の取り消しを求める訴えを近く、大阪地裁に起こす。
訴えによれば、上脇氏は昨年4~7月、厚生労働相と文部科学相に対し、布マスクについて「契約、発注、回収等について、業者との間でやり取りした内容を記録した文書」の開示を請求。だが、見積書や契約書、納品書以外は「事務処理上、作成または取得した事実はなく、実際に保有していない」などとして不開示とされた。
上脇氏側は、行政文書の扱いを定めた公文書管理法では、意思決定の過程を検証できるように文書を作ることが義務づけられており、国側が実際には面談や電話、メールなどでの業者側とのやりとりを記した文書を作成し、保管しているはずだと主張。「巨額の税金が支出された以上、どのような交渉経過で契約に至ったのかを国民に説明する責任がある」としている。
上脇氏は取材に対し、「表に出したくない業者とのやりとりがあるのではないかとの疑念がある。政策の妥当性を検証するために国は文書を開示するべきだ」と話す。上脇氏は今回の訴えとは別に、昨年9月に布マスクの発注業者への発注枚数と単価を開示しなかったのは違法だとする訴訟も起こしている。
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