超小型人工衛星、21日にISSへ 筑波大発ベンチャー

庄司直樹
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 世界初となる宇宙空間での光通信ネットワーク事業を目指す筑波大発のベンチャー企業「ワープスペース」(茨城県つくば市)は17日、開発した超小型人工衛星国際宇宙ステーション(ISS)に向けて21日に打ち上げると発表した。

 つくば市内で記者会見した常間地(つねまち)悟CEOによると、米ノースロップ・グラマン社の補給船「シグナス」に載せ、米バージニア州のワロップス島から打ち上げる。ISSには野口聡一飛行士が滞在中で、時期は未定なものの数カ月以内をめどに宇宙空間に放出してもらう。軌道投入されれば、県内の民間企業としては初めてとなる。超小型人工衛星は最長で2年間地球を回りながら、電波や放射線の環境などを調べる実証実験を行う。

 同社は、地上500~800キロメートルを周回する数多くの観測・気象衛星が、低軌道のため一日に短時間しか地上と交信できていない点に着目。高度1万キロメートルに中継衛星を複数打ち上げてネットワークをつくり、衛星事業者向けに、24時間高速な通信を提供するサービスを計画する。中継衛星は2022年末に打ち上げる。

 常間地CEOは「民間が参入して盛り上がる宇宙ビジネスは今後飛躍的に発展する。今回の実証実験をステップにして、通信インフラの分野で地歩を築きたい」と話した。(庄司直樹)

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