「ネコにマタタビ」謎迫った教授ら 突破口はすりすり?

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上地一姫
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 ネコがマタタビに体をこすりつけるのは、蚊を寄せつけないため――。岩手大や名古屋大などの研究チームが1月、「ネコにマタタビ」ともいわれる反応の謎を実験で解明したと発表した。研究に参加した岩手大農学部の宮崎雅雄教授(46)と大学院1年の上野山怜子さん(23)は、発表に合わせて開かれた会見で、ネコ相手の研究の様子を語った。

 宮崎教授は20年近く、ネコの嗅覚(きゅうかく)とコミュニケーションについて研究してきた。ネコがなぜマタタビに反応するのかについて研究を始めたのは2012年。今回の共同研究者で名古屋大学大学院の西川俊夫教授の提案がきっかけだった。

 まず、マタタビに含まれる成分「ネペタラクトール」が多幸感に関わる神経系に作用することを突き止めた。ネコが陶酔状態になる以外に重要な働きがあると考えられたが、それが何かはしばらくわからなかった。

 上野山さんは18年10月にチームに加わった。幼い頃からネコを飼っていて、動物の行動変容にも関心があったという。

 転機は20年1月。上野山さんは助言を受け、ネペタラクトールを含んだ濾紙(ろし)を、床だけでなく、ゲージの天井や壁の高い所に置いてみた。すると、ネコは体を伸ばしたり、よじ登ったりして、顔や頭をこすりつけ始めた。上野山さんは「びっくりした。高い所に置くとまったく転がらない。ただすりすりしたのが突破口となった」とうれしそうに振り返った。

 ネコがマタタビに体をこすりつけるのは、マタタビの成分を毛につけるためだとわかった。チームは、ネペタラクトールが蚊を寄せつけない効果をもつことも突き止め、寄生虫やウイルスを媒介する蚊から身を守っていると結論づけた。

「協力」したネコの名は

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 研究に「協力」したネコは計…

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