「問題終わった」から態度一変 火の粉を払ったバッハ氏

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編集委員・稲垣康介
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 東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長が女性蔑視発言をめぐり辞任の意向を固めた過程で、国際オリンピック委員会(IOC)はどんな役回りを演じたのか。

 初動は失敗した。4日、森会長の謝罪会見を受け、「IOCはこの問題は終わったと考えている」と幕引きを後押しした。公式サイトに載せる声明ではなく、広報担当がコメントを出すのは穏便に済ませたいときに使う手法だ。週末を挟めば世間の関心も薄れると踏んだのかもしれないが、甘かった。

 コロナ禍による選手の交流の制限、無観客開催の可能性……。東京大会はただでさえ、理想の姿から妥協に次ぐ妥協に追われる。

 そんな中、五輪憲章が根本原則で掲げる「ジェンダーの平等」を大会組織委のトップが軽んじたことで世界的な批判が高まった。放置すれば崇高さが売りの五輪精神が、さらに傷つく。

 日本の国内世論を探るべく…

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この記事を書いた人
稲垣康介
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