コロナ禍の女性の傷口に塩塗った 「末路」の森会長発言

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聞き手・三島あずさ
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 東京五輪パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長による女性蔑視発言を受け、辞任や再発防止などを求めるネット署名の賛同者は14万人を超えました。同志社大学大学院の岡野八代教授(西洋政治思想史・フェミニズム理論)は「森会長個人の問題にとどまらない。権力者が女性をはじめ、さまざまな異論に耳を傾けず排除を続けてきた末路の発言」と指摘します。

 今回の発言が、コロナ禍が続くなかで出てきたということを、深刻に受け止める必要があります。

 女性の非正規率が高いなか、コロナで多くの女性が失業し、自殺も増加。女性の困窮ぶりは今までにないほど深刻ですが、そこへの注目は全く不十分です。医療や介護、保育などの現場で身を削りながら働いている女性たちは、声をあげる余裕もありません。

 一方、メディアで医療現場の問題や政治状況を語る「専門家」の大半は男性です。女性たちは声も上げられず、男性の発言ばかり聞かされ、いざ発言すれば「長い」と言われる。黙らされてきた女性たち、とりわけコロナ禍で苦しむ女性たちの傷口に塩を塗るような行為でした。

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 「女性の話は長い」のだとす…

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