第4回ペッパー君の励ましと胸の苦しみ 療養施設でも不安な夜

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千葉雄高=41歳
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 新型コロナウイルスに感染した記者(41)は、やはり感染した妻(41)と、陰性だった息子(3)を病院に送り出し、自宅で一人、無症状・軽症者用の宿泊療養施設に入るのを待っていた。

 ◇12月13日(日)

 発熱から6日目、ようやく施設に入る日を迎えた。

 午後4時ごろに迎えに来たミニバンには「TOKYO 2020」のロゴが入っていた。内部は運転席と後部座席の間がシートで仕切られていた。もともとは東京五輪の関係者輸送のために用意された車両なのだろう。コロナ禍が東京にもたらした変化に、しんみりした気持ちになった。

 療養施設になっている東京都中央区のホテルに着き、外にいた職員の指示通りに中へ入ると、無人のロビーに自分の名前が書かれた封筒が置かれていた。5階の部屋の鍵と、血中酸素濃度を測るパルスオキシメーター、施設の説明資料、そして小池百合子都知事からの手紙などが入っていた。手紙には「いま、あなたを含め、世界中の人々が『見えざる敵』と戦っています」「感染の終息のためにも、心をひとつにして参りましょう」などと書かれ、「一日も早いご回復をお祈りしています」と締めくくられていた。コピーだが、サインは自筆だった。

感染の防止や、感染してしまった人の役に立てば、と、記者が体験をつづった連載です。4回目は軽症者用の宿泊療養施設についてです。

 ロビーにいた、人形ロボット…

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