ニタマ駅長、役員に昇進したニャー 切符穴開けは肉球型

西岡矩毅

 三毛猫の「たま駅長」で知られる和歌山電鉄の猫駅長の「ニタマ」(メス、10歳)が執行役員に昇進した。利用促進のため、切符に肉球形のパンチ穴を開ける取り組みも始まった。

 辞令が交付された23日午前11時半ごろ、同社の貴志駅(和歌山県紀の川市)には、猫駅長のファンや利用客など10人ほどが集まった。猫が役員になるのは、2015年に亡くなった「たま駅長」に続き、2匹目だ。部長職から昇進したニタマは、同社の小嶋光信社長(75)から執行役員の辞令交付を受けると「ニャー」と答えた。小嶋社長は「頑張るにゃー、と言っています」。

 新型コロナウイルスの影響は同社にも及んでいる。今年度の利用客は、前年度と比べると3割減ほどになったという。同社によると、生活基盤の交通網としてだけでは経営は成り立たず、県外や海外からの観光客の利用や地元の周辺住民の誘客が必要だという。

 そんななか、「利用客を少しでも増やしたい」という思いから、切符にたま駅長の肉球をモチーフにした形のパンチ穴が開けられるはさみを特注。23日から販売を始めた往復普通乗車券に印をつけている。

 小嶋社長は「コロナ禍で大変な状況だが、少しでも明るい話題を伝えたい。ニタマのかわいさで和歌山電鉄を支えてほしい」と語った。

 観光で訪れていた動物病院の看護師、橋本七美さん(25)は「ニタマには、役員を無理せず頑張ってほしい。肉球のパンチ穴もかわいい」と話した。

 往復普通乗車券は、いずれも和歌山市の和歌山駅と伊太祈曽駅で、和歌山―貴志(820円)、和歌山―伊太祈曽(640円)、伊太祈曽―貴志(同)を発売している…

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