バイデン新政権へ各国期待 ロシアは牽制、でも本音は?

有料記事

[PR]

 バイデン新大統領が20日就任し、各国首脳らからは、トランプ前大統領が軽視した国際協調路線に米国が回帰することを期待する声が相次いだ。一方で、新政権を警戒する国もある。

 「長い(トランプ政権の)4年間を経て、ホワイトハウスに友人ができる。待ち望んだ夜明けだ」

 欧州連合(EU)の行政を担う欧州委員会フォンデアライエン委員長は演説でこう語った。

 自国第一のトランプ前政権は、温暖化対策パリ協定やコロナ対応に取り組む世界保健機関(WHO)など、多国間での協力の枠組みに次々と背を向けた。フォンデアライエン氏は「国際的な課題に対し、国際的な協力関係を刷新し、より深める必要がある。新政権の1日目から、ともに取り組みたい」と期待した。

 EUの大統領にあたるミシェル首脳会議常任議長もトランプ政権の4年間を「苦しんだ時期だった」とし、新政権の誕生を「単なる政権の移行ではなく、欧州と米国の関係を再び活性化する日だ」と位置づけた。「世界は複雑で予測が難しくなっている。欧州は、公正で、環境に配慮し、平和な世界づくりに貢献したい。そのためには強く、信頼できるパートナーが必要だ」とも強調し、EUの首脳会議にバイデン氏を招待すると改めて表明した。

 ドイツのシュタインマイヤー大統領はビデオメッセージで、「今日は民主主義にとって良い日だ。米国の民主主義は強い圧力に直面し、耐えた」と強調した。バイデン氏の就任に「安心した。この気持ちはドイツの多くの人たちに共有されていると思う」とした。

 シュタインマイヤー氏は祝意を示しつつ、「世界で最も強力な民主主義がポピュリズムに誘惑されてきたことを忘れてはならない」としたうえで、「私たちは二極化に断固として反対し、民主主義の公共空間を守るとともに強化し、理性と事実に基づいた政治を形づくらなければならない」と語った。

 今後は、新型コロナウイルス対策や気候保護、安全保障など世界的な問題で「米国が不可欠なパートナーとして我々の側に戻ってくることを期待している」とも述べた。

トランプ前大統領に振り回された組織や国からは

 また、「中国寄りだ」と繰り返し批判され、脱退を表明されるなど、トランプ前政権との関係に苦しんだWHOのテドロス・アダノム事務局長はツイッターで「就任おめでとうございます。より健康で、より公平で、より安全で、より持続可能な世界へ!」と喜びをにじませた。

ここから続き

 トランプ氏が背を向けた気候…

この記事は有料記事です。残り3728文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら