かやぶきの里の診療所が危機 厳しい経営、市が直営へ

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佐藤美千代
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 「町で唯一、入院病床のある診療所が危機に直面しています」。悩みや疑問をSNSで募る「#ニュース4U 取材班」に、京都府南丹市の美山地区の住民からそんな投稿が寄せられた。かやぶき屋根の民家で知られる美山を歩き、過疎地の医療の実情を見た。

 昨年11月上旬、美山地区の住民が南丹市役所を訪れた。同地区の最奥部から市役所までは、小型バスで片道1時間半かかる。

 美山診療所の入院ベッド(4床)と、併設の介護老人保健施設(定員15人)を3月で休止する市の方針へ反対するためだった。要望書を西村良平市長あてに提出し、「高齢者は死ねというのに等しい」と訴えた。

 山口サト子さん(64)の90歳の義母は一昨年、足を骨折した。診療所の医師の助言で大学病院で手術を受けた。退院後は診療所の老健に入所し、自宅へ戻れるまでに回復した。「命があるのは診療所のおかげ。縮小されたら助かる人も助からない」

 美山地区は福井、滋賀両県に接する山あいにある。面積は約340平方キロメートルと南丹市の55%を占める一方、人口は1割強の約3600人。47%が65歳以上と過疎、高齢化が進む。

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 診療所は約20年前に旧美山…

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