東京は「疫学的に異常」 感染者急増、なぜ起きたのか
感染者が疫学的に異常な増え方をしている――。新型コロナウイルスの東京都内での感染者数が、政府の対策分科会でそう指摘された。大みそかに1337人と初めて1千人台が確認されると、その後も急激に増え続け、1日あたりの感染者数(週平均)は1700人を超えた。専門家が「異常」とまで表現する急増ぶりは、なぜ起きたのか。都が公表するデータや専門家の言葉から探ってみた。
「ベースラインが1千未満だったものが10日程度で2千のベースラインを超えるっていうのは、ちょっと考えにくい」
政府の分科会の押谷仁・東北大教授は8日、都内の感染者の急増についてそう語った。感染者は年始はいったん800人前後に下がったものの5日に再び1278人、6日は1591人と再び増加傾向が強まり、1月7日には2447人と初めて2千人台に。その後、9日まで3日連続で2千人を超える感染状況となった。
年末年始以降に急増した要因として、押谷教授は、忘年会などのイベントに加え、年末に53歳だった立憲民主党の羽田雄一郎参院幹事長が死亡したことを受け、今まで検査を受けなかった人たちが受け始めたことが要因の一つと考えられるとの見方を示した。
ただ、感染者の急増は、こうした特別な事情だけが原因ではない。それを象徴するのが、都内での感染状況を判断する指標の一つで、市中感染の広がりを示すとされる陽性率だ。
都内の陽性率は、11月初旬…
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